ワーママイズム

小学6年生と4年生の子どもを持つワーママの生活

父の死2-③ 肺がん最後の一ヶ月と自宅での看取り 体験談

前回の記事の続きです。

亡くなる約2週間前

8/4(金)、退院当日。

母と弟夫婦が朝病院へ行き、退院の支度をしました。

 

そして、父と母と弟夫婦は午前中に自宅に到着し、担当医、訪問看護師、ケアマネジャーの訪問がありました。

私と姉は仕事を終えてから、夕飯時に合流。

まずは、皆が揃って父に会えたことがとても嬉しかったし、父もとても喜んでいました。

この一週間、父が病院で急変したらどうしようかと不安でしたし、在宅看護のことも分からず、どのように準備が進んで行くのかも分からなかったので、やっと帰って来られたね、という思いでした。

病院では、食事は半分くらい残していたとのことでしたが、自宅では好きなものが食べられるので、以前のようにとはいきませんが、かなり量は食べられていました。

食後には皆で退院祝いのケーキを食べて、家族写真を撮りました。

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写真が好きな両親なので、自宅の壁にはいつも家族写真が飾られています。

さぁ、自宅看護スタートです。

酸素吸入機や、酸素を鼻から入れるチューブや、外出用の酸素ボンベの取り扱いや、緊急時の連絡先、薬のことなどを説明を受けた弟から教わりました。

訪問看護師さんからは、何かあったら、訪問看護ステーションに連絡するように言われました。救急車を呼んではいけません。

救急車を呼んだ場合、心肺蘇生など父の希望とは異なる処置をされたり、最期は病院で亡くなることも考えられます。

私たち家族は素人集団です。

どのように病状が進行するのかも分からなかったので心配でしたが、自分にできることをやるしかないという気持ちでした。

その夜の心配事は、酸素を鼻から入れるチューブが外れてしまわないかということでした。

そのため、リビングに布団を並べて皆で寝ることにしました。

介護ベットのあるリビングにポータブルトイレもありますが、父は歩けるので、家のトイレに行ってしまいます。

酸素吸入機から鼻まで繋がっているチューブはトイレまで行けるくらいの長さが確保されていますが、どこかにひっかかったり折れ曲がったりすると十分な酸素が届かなくなってしまいます。

以前から、前立腺肥大症で頻尿になっていたので、父は夜に頻繁に起きます。

その度にこちらも大丈夫か様子を見たりして、ぐっすりは寝られません。

朝になり、無事に夜を越せたことにホッとすると同時に、初日にして、当番制にしないと身体が持たないと察しました。

8/5(土)、姉家族と私の家族も父に会いに集合しました。

総勢12人。父の希望で、12人で記念写真を撮り、お昼ご飯を一緒に食べました。

父は何より家族で集まることが大好きで、毎年夏は皆で旅行に行っていました。

皆も家族で集まる機会を大切にしてきたので、毎年全員集合できていました。

そして、私の子どもと姉の子どもはそれぞれ旦那さんに一度自宅に連れて帰ってもらい、月曜日から、子どもたちも実家に泊まることになりました。

子どもたちがいると、逆に騒がしくて迷惑かと悩みましたが、子どもたちも状況は分かっているようで普段とは違いました。

両親も子どもたちを連れてきて大丈夫とのことだったので、部屋を分けて生活することにしました。

しらばく、父のことで頭がいっぱいで、子どもたちのケアができていなかったのですが、夫がお父さんのことを最優先でいいよと言ってくれていたのが救いでした。

8/6(日)訪問看護師さんからは、今のうちに会いたい人には来てもらった方が良いと言われました。

そして、ご家族も状況をよく理解していますよね?というような感じで諭されました。

自宅に帰ってきてから、毎食父の好きなものを食べて、病院にいた頃よりは元気があるようにも見えました。

でも、いつガクッときてもおかしくない状況と看護師さんはおっしゃいます。

とても助かったことは、1日おきに訪問看護師さんが父をシャワーに入れるのを介助してくれることです。

午前中の比較的体調が良いときに、訪問看護師さんと弟で父を洗いました。

お風呂場に訪問看護師さんが持ってきてくださった椅子を置いて、父は座ってシャワーに入ることができました。

この日は、3交代で起きて父の看護をしようということにしました。

父は自分一人で大丈夫。皆は自分の部屋で寝なさいと言い張りましたが、こちらも譲りません。

8/7月(月)〜8/9(水)、私は早朝から仕事をしたり、早くに出社したり夜に仕事をしたりして、なんとか仕事をやりくりしました。

そして、比較的父が元気のある時間に、姉、私、弟の配偶者の両親が面会に来てくださりました。

父は食事の時間以外は基本的にベットに横になっています。

それでも、朝は髭を剃りたいと言って、ひげ剃りセットや鏡をベットへ持って行くと、きちんと髭をそり、髪を整えて、お気に入りのTシャツを着ました。

お友達からもらったという、「暇人」と小さく印字されたパッと見はおしゃれなTシャツやボーダーのポロシャツがお気に入りでした。

ベットで「暇人」Tシャツは皆で笑いました。

8/8(火)の朝、自宅看護を始めた8/4以降で1番体調が良く、朝、リビングから庭に少し出ることができました。短い時間でしたが、早朝で涼しかったです。庭の花や木を気分良く眺めて、庭で家族写真を撮りました。

それが最後の家族写真となりました。

 

その日は、シャワー浴がなかったので、温かいお湯にアロマオイルを垂らし、タオルに含ませて手足を拭きました。

私の義理母が老人ホームで働いていて、教えて下さったことです。

とても気持ちが良さそうだったので、アロマオイルを持って行って良かったです。

食事は、毎食、少量ですが好きなものを食べました。そして夕飯の後はハーゲンダッツを食べます。

看護師さんも、アイスは食べやすくカロリーを取れるので良いですよとおっしゃっていました。

夕方から夜中はしんどいようで、約1時間ごとには起き上がっては、ベットに腰掛けて頭をもたげているような感じで辛そうでした。

 

つづく